
「はちみつ」とはミツバチが植物の花から「花蜜」を採取しそれを巣に持ち帰って蓄えながら、彼らの持つ酵素を使って「花蜜」の主成分である「ショ糖」を「ブドウ糖」と「果糖」とに分解・成熟させた天然の甘味物質です。淡黄色から暗褐色まで色々な色があり、シロップ状の液体ですが、温度差や保管の状況によって結晶を生じます。
はちみつは糖度が高い食品なので、保存性が良く冷蔵などの必要はありません。ハチミツには高度な自己殺菌能力があり、ほとんどの細菌の活動を停止させてしまうため何年置いても腐敗することはありません。
| 成分項目 | 一般的なハチミツ | アカシアハチミツ | 菜の花ハチミツ |
|---|---|---|---|
| 果糖 | 40% | 44% | 35% |
| ブドウ糖 | 32% | 28% | 38% |
| 水分 | 18% | 19% | 18% |
| オリゴ糖 | 7% | 7% | 6% |
| その他の成分 | 3% | 3% | 3% |
はちみつの主成分は糖類ですが、上の表では果糖、ブドウ糖、オリゴ糖が糖類に含まれ全体の約80%に相当します。果糖、ブドウ糖は単糖類と呼ばれる糖類では一番消化し易い糖で、体の中に入るとすぐ吸収されます。そのためはちみつはもっとも消化されやすい食品として有名で色々なスポーツ選手の食事に使われたり、病後の療養のため等に利用されたりします。
また、果糖やブドウ糖などの比率は花の種類によって異なり、上の表のとおり、アカシアはちみつは果糖が多く菜の花のはちみつはブドウ糖が多いことで有名です。
蜂蜜は紀元前より甘味料や、ミイラの防腐剤として利用されて来ました。現在では甘味料として幅広く利用されています。
蜂蜜の甘さの素は、約80%を占める果糖とブドウ糖。普通の砂糖よりも吸収が早いので、すばやく身体の疲労を癒してくれます。
さらに、貴重なミネラルとビタミンB群、フラボノイド、アミノ酸、有機酸、酵素など各成分が豊富に含まれています。最高の栄養供給源として、また肌のお手入れやちょっとした傷の手当などに、日常生活で幅広くその威力を発揮してくれます。
蜂蜜の栄養価は実に豊富です。
蜂蜜の主成分はブドウ糖と果糖でこれ以上分解する必要のない単糖類で吸収率が非常に高く、胃腸への負担が比較的少ないです。ミネラル分も豊富で肝臓の働きを良くするため、二日酔いにも効果的。虫歯の原因の歯垢は蜂蜜の主成分のブドウ糖と果糖からはできないため安心です。
はちみつに含まれるその他の成分としてはミツ蝋、花粉等の微粒子、蛋白質、有機酸、アミノ酸等です。また、微量成分としてはビタミンやミネラルが含まれます。 蜜ロウは蜜蜂の巣の材料ですがはちみつが蜜蜂の巣に蓄えられている間にはちみつの中に混入します。だいたい1%〜数%含まれています。
花粉はミツバチにとって大切なタンパク源で、若いミツバチはこれを食べてローヤルゼリーを分泌します。だいたいはちみつ1g中に 1000個〜30000個も含まれています。
ハチミツ中の蛋白質はそのほとんどが花粉やミツバチ由来の酵素で0.2%〜1%くらい含まれています。酵素の種類としては、インベルターゼ、グルコアミラーゼ、βアミラーゼ、グルコースオキシダーゼなどの糖に作用する酵素です。
有機酸はそのほとんどがグルコン酸です。はちみつ中に存在するグルコースオキシダーゼによりブドウ糖が酸化され生成されます。おおむねはちみつ中に0.2%〜0.5%程度含まれ、はちみつのpHを酸性に保つ働きをしています。また、グルコン酸は多くの有機酸の中で唯一ビフィズス菌をふやす働きがあります。
アミノ酸はそのほとんどがプロリンです。通常はちみつ中に200ppm程度含まれています。このプロリンと前述のグルコン酸がハチミツの味を司っていると言われています。また、鉄分と結合して鉄分が水に溶けなくなるのを防ぐ働きがあります。
微量成分としてのビタミンはビタミンC、ナイアシン、ビタミンB群などの水溶性ビタミンが含まれており、ミネラルとしてはカリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄分など豊富に含まれていますが、花の種類によって含有量が異なります。ミネラルの多いはちみつとしてはソバ、栗、綿などがあります。相対的には色の濃いはちみつのほうがミネラルが多いようです。
| 種類 | はたらき | 欠乏症 | 含有量 |
|---|---|---|---|
| B1 | 炭水化物の代謝 | 脚気、糖尿病 | 5.5γ |
| B2 | 発育促進、肝臓機能強化、整肌 | 栄養傷害、口内炎、肝臓障害 | 61γ |
| B6 | 皮膚の健康維持 | 皮膚炎、湿疹、ひび | 299γ |
| 葉酸 | 造血、成長促進 | 悪性貧血 | 3γ |
| ニコチン酸(ナイアシン) | 皮膚の健康、造血、消化促進 | 皮膚炎(ペラグラ) | 0.1㎎ |
| パントテン酸 | 成長促進、老化防止 | 老人病 | 115γ |
| ピオチン | 発育促進(特に中年以降) | 栄養障害 | 0.066γ |
| C | 造血、抵抗力補強、老化防止 | 壊血病、貧血 | 2.4㎎ |
| K | 止血、解毒、利尿 | 止血作用喪失 | 25γ |
| コリン | 発育促進 | 発育不全 | 1.5㎎ |
| 種類 | はたらき | 含有量 |
|---|---|---|
| カルシウム | 骨と歯を作る。活力と長寿に関係。 | 49 |
| 鉄 | ヘモグロビン形成 | 2.4 |
| 銅 | ヘモグロビン形成の際、鉄と協力作用。 | 0.29 |
| マンガン | 生殖と成長の正常化 | 0.30 |
| リン | 骨と歯を作る。細胞の増殖。 | 35 |
| 硫黄 | 髪や毛の発育。必須アミノ酸の成分。 | 58 |
| カリウム | 心臓、筋肉機能の調整 | 205 |
| 塩素 | 胃液中の塩酸分泌に不可欠 | 52 |
| ナトリウム | 心臓、筋肉の調整 | 76 |
| 珪素 | 皮膚に弾力性をもたせる | 8.9 |
| マグネシウム | 神経興奮の制御。炭水化物の代謝。 | 19 |
| 珪酸 | 皮膚に弾力性をもたせる | 22 |
はちみつはビンや容器に充填された後、約半年から1年で結晶を開始します。特に冬場など気温が低くなるとはちみつの中に白いツブツブが見られ始めますが、これがはちみつの結晶なのです。初期の結晶の状態は様々で、粒状に結晶するもの、雲状に結晶するもの等がほとんどですが、中にはカビのように見えることもありますが、あくまでもこれは結晶です。
結晶するスピードはミツバチが採取した花の種類によって大きく異なり、れんげなどは早く、あかしあなどは比較的ゆっくり結晶します。また、結晶作用ははちみつの物理性に起因しているものですから、品質や栄養の変化変質ではありません。
こんな時にはちみつは結晶しやすくなります。
1. はちみつの中の天然ブドウ糖分が果糖より多い場合
2. ハチミツの中に気泡があり振動が加わった場合
3. 外気温が15〜18℃以下になった場合
4. 置き場所・室温・日射の状況が頻繁に変化する場合
結晶したハチミツを液状に戻すには50〜60℃のお湯で湯銭をするのがもっとも適しています。お鍋などにお湯を張って、結晶が溶け出したらスプーンなどでかき混ぜながら溶かしますと、きれいに液体に戻ります。その後はお湯から出して自然に冷やしお使いください。また湯煎をする時には容器のふたを予め空けておくことを忘れないでください。
紅茶などの中には「タンニン」と呼ばれる色素成分が含れています。このタンニンがハチミツの中に含まれる鉄分と化合すると、「タンニン鉄」と言う物質に変化し、ハチミツの中のたんぱく質に付着して色が黒い沈殿物を形成します。これが「紅茶の色が黒くなる」原因です。
これらの物質はいずれも人体にはまったく無害なミネラル成分ですので安心してお飲みになってください。また、レモンの輪切りやエキス等を入れるとタンニン鉄が分解されて元に戻り、紅茶の黒ずみは解消します。